プロジェクト管理に必須な、工程表とは何か、どんな種類があるのかについて説明します。
工程表とは
工程表とは、プロジェクトや工事のスケジュール、工数、進捗状況などをまとめた表で、作業内容やスケジュール、進捗状況を「見える化」することで、状況を正確に把握し、納期遅れを防ぐことや生産性を向上させる目的があります。主に、建築工事においては、建物の着工から竣工までの期間に行う工事を時系列順に並べた表として用いられ、進捗状況の把握や工事の打ち合わせをスムーズに行うために不可欠です。
工程表には様々な形式がありますが、一般的には「バーチャート工程表」「ガントチャート工程表」「グラフ式工程表」「出来高累計曲線」「ネットワーク工程表」などの種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットが存在します。
工程表の概要
工程表は、プロジェクトや工事のスケジュール、工数、進捗状況などをまとめた表であり、作業内容やスケジュール、進捗状況を「見える化」することで、状況を正確に把握し、納期遅れを防ぐことや生産性を向上させる目的があります。
工程表の種類と特徴
- バーチャート工程表
特徴: 縦軸に作業項目、横軸に日付を配置し、各項目の日数を棒状で記載。
メリット: 構成が単純で作成が簡単、各作業のスケジュールが把握しやすい。
デメリット: 作業の進捗管理には不向き、作業ごとの関連性が把握しづらい。 - ガントチャート工程表
特徴: バーチャート工程表に似ているが、横軸に進捗率を記載。
メリット: 複数の作業を並行して進めている現場でも、各進捗を把握しやすい。
デメリット: 各作業の工数が分かりにくい、作業ごとの関連性が把握しづらい。 - グラフ式工程表
特徴: バーチャートとガントチャートの特徴を組み合わせ、縦軸に進捗率、横軸に日数を配置。
メリット: 作業の予定日数と現在の進捗率を同時に確認可能、作業ごとの関連性が把握しやすい。デメリット: 情報量が多く、表が複雑で作成や理解に時間がかかる。 - 出来高累計曲線
特徴: 工事全体の進捗状況を把握するために用いられ、縦軸は進捗率、横軸は日付。
メリット: スケジュールに対する全体の進捗状況を許容範囲とともに一目で確認可能。
デメリット: 作業一つひとつの進捗は記載しないため確認できない。 - ネットワーク工程表
特徴: 作業間の関連性を「〇」と「→」の記号で表す。
メリット: 作業ごとの関連性や流れが分かりやすく、効率のよい作業手順を設計可能。
デメリット: 作成に専門知識が必要、進捗管理には適していない。
これらの工程表は、プロジェクトの特性や目的に合わせて選択され、適切な管理と計画の実現に大きく貢献します。現場では、何を確認したいのかに合わせて、組み合わせて使われます。
まとめ
工程表を利用することでできることをまとめると、
- 各工程を具体的に把握・共有することで、作業の抜け漏れを防ぐ:工程表は、各工程の細かい部分まで把握し、共有することで作業の漏れや重複を防ぎます。
- スケジュールと進捗を把握し、納期遅れを防ぐ:納期管理は、工程表を使う最も重要な目的の一つで、工程表を活用することで各工事の進捗状況が明確になり、必要に応じて調整が可能です。
- 作業時間の調整や人員配置がしやすくなり、工期短縮やコスト削減ができる:工程表を作成し、工事の見通しが立つことで、作業できない日に職人を手配するミスを防ぐことができ、リース品を借りる日数が増えることも防げます。
加えて、建築工事では、工程表がないと適切な工程管理が行えず、工期の遵守が難しくなるため、工程表の作成は必須です。また、協力業者が現場に入る目安としても機能し、材料の調達や職人の手配をスムーズに行えるようになります。
したがって、工程表はプロジェクトや工事の成功に不可欠なツールであり、適切な工程管理とリソースの最適化に大きく貢献します。
エクセルや、ワードでも作成できますが、MSプロジェクトなどの工程表作成ソフト・プロジェクト管理ソフトを使うことでより業務を解決できます。また、工程表を作ってから、プロジェクトの進捗管理・協力会社管理のためのモニタリングとして活用されるツールもあります。